スマホ世代の危機?子どもの健康を守るために知っておくべき子どもロコモとは

時計2024.08.24
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みなさん、「子どもロコモ」って聞いたことありますか?


ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは骨・関節・筋肉などの運動器の障害により移動能力が低下し、最悪の場合、要介護状態になるリスクが高まる状態のことを言います。


元々は高齢者に関連する問題として知られていましたが、近年では子どもたちにも運動不足や姿勢の悪さ、過度なスマホやゲームの使用などが原因でバランスが取れない、疲れやすい、腰痛や肩こりがある、しゃがめない、転倒しやすいなどの症状が見られることが指摘されています。


最近、ニュース番組でも「しゃがみ込みができない子が多くなっている」との内容が取り上げられ、実際にしゃがみ込みをすると後ろに転がってしまうような子がたくさんいて、みなさんびっくりされていました。


実は年々、子どもロコモは増加しており、とある運動器検診では小学生の4割が子どもロコモだったとの報告もあります。


このような状態で運動やスポーツを行なっていると、膝や足首に負担がかかったり、転倒しやすかったりなど怪我をするリスクが高くなります。


よって、ここでは子どもロコモの現状やチェック方法について解説し、最後には子どもロコモを改善するための方法を紹介します。


子どもが安全に成長するために親御さんに知っておいて欲しい重要な内容です。ぜひ最後まで読んでください。


目次  


1. 子どもロコモが増えている要因 

2. 子どもロコモをチェックする方法

3. 子どもロコモを改善する体操を紹介

4. まとめ 


子どもロコモが増えている要因

なぜ、子どもロコモが激増しているのでしょうか?様々な要因がありますが、大きく次の4つがあります。

1.運動不足
ゲームやテレビ、スマートフォンなどのデジタルデバイスに多くの時間を費やし、自然としゃがむ動作を含む遊びや運動が減っている

2.筋力・柔軟性の低下
運動不足により、足腰の筋力や柔軟性が低下する

3.生活環境の変化
都市部での生活が増え、自然な地形や遊び場が少なくなっている。また、ベッドや洋式トレイなど生活スタイルが洋式化していることなどがしゃがむ機会を減らしている。

4.姿勢が悪い
長時間のゲームやスマホなどの使用により、姿勢が悪くなることでバランスが崩れ、しゃがめなくなっている

これらの要因により、多くの子どもたちが安全で健康に成長することができなくなってきてます。


子どもロコモをチェックする方法

ここでは子どもロコモかどうかを簡単にチェックできる方法をお伝えしますNPO法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会副理事長である林 承弘先生によると次の5つの方法が言われています。


以下 「子どもロコモ読本NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会より引用」


①体のバランス



②下半身の柔軟性




③上半身の柔軟性




④肩甲骨と股関節の柔軟性



⑤上半身の動き




5つの項目が全てできれば問題ありません。

1つでもできない項目があれば子どもロコモに該当するかもしれません。


埼玉県で幼稚園児、小学生、中学生合わせて1343にんが子どもロコモチェックを行なったところ、1つでもできない人が40%以上いました。クラスが40人だとすると、そのうち16人が子どもロコモの疑いがあるということになります。


みなさんのお子さんも子どもロコモかどうかチェックしてみましょう!


もし、子どもロコモの疑いがあっても心配することないですよ。次に子どもロコモを改善する体操を紹介しますので、お子さんと一緒にやってみましょう!




子どもロコモを改善する体操を紹介

ここで紹介する体軸体操は、「予防医学に基づいて理学療法士が開発した健康的な身体づくりのための体操プログラム」になります。子どもの身体のインナーマッスルを活性化することで、姿勢や身体の使い方が向上し、元気になる体操です。それを行うことで誰でも同じように効果が出るようになります。

「体軸」とは、筋肉や骨格のことではなく、身体の中心を上下に貫く軸の感覚のことです。お子さんはこの「体軸」が整うことで、姿勢の改善が期待できます。また、身体を思い通りに動かしやすくなることで運動能力の向上につながります。


他の体操とは違い、全身14カ所にある身体のスイッチを触りながら動かすことで、身体の感覚が整い、インナーマッスルが活性化し、身体に軸ができます


 


そして、身体に軸ができることで身体を思い通りに動かすことができます。この体操プログラムはTAIJIKU(たいじく)子どもの運動学習塾の教育プログラム内などで幅広く活用されています。


先ほどの子どもロコモチェック方法の5項目の中でできなかった項目に合わせて次の体操をやってみよう!


①体のバランスができなかった人




②下半身の柔軟性ができなかった人




③上半身の柔軟性ができなかった人




④肩甲骨と股関節の柔軟性ができなかった人




⑤上半身の動きができなかった人





体軸体操を行なった後、再度子どもロコモチェック方法でチェックしてみよう!身体に変化はあるかな?


体軸体操は誰でもどこでも簡単に実施でき、即時効果も得られます。しかし、また日常生活で元に戻ってしまう可能性があるため、まずは2週間ほど毎日継続して実施することをお勧めします。


継続することで、徐々に眠っていたインナーマッスルが働きやすくなり、正しい身体の使い方ができるようになってきますよ!ぜひ親子で一緒にやってみてください。


今回は体軸体操の一部を紹介しましたが、もっと詳しく子どもの運動能力を高める方法を知りたい方はキッズ・ジュニアトレーナーの専門家が実施する「体軸ファシリテーター養成講座」の受講をお勧めします。


「体軸ファシリテーター養成講座」はこちら


オンラインでも受講でき、1日で体軸体操指導者の資格がとれ、さらに文部科学省が認定する運動教室を開催することが可能になります。

子どもの運動神経・姿勢は誰でも向上することができます。ぜひご検討ください。


まとめ  

今回は子どもロコモについて解説し、改善するための体操を紹介しました。


・子どもロコモとは運動不足や姿勢の悪さなどにより、原因で疲れやすい、腰痛や肩こりがある、転倒しやすいなどの症状が見られる子どものことを言う


埼玉県で幼稚園児、小学生、中学生の調査では約40%が子どもロコモの疑いがあった


・子どもロコモを改善するために体軸体操が効果的である


子どもたちが安全で健康に成長できるために、ぜひ体軸体操を生活に取り入れてみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。




引用:

・林承弘監修:子どもロコモ読本(全国ストップ・ザ・ロコモ協議会)

・林承弘 ほか : 日整会誌 2017; 91(5): 338-44.

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