子どもが野球肘に!?小学生に多い特有の原因と予防法を徹底解説

時計2024.08.18
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連日、甲子園で高校球児達の熱闘が繰り広げられていますね。甲子園を見ると毎年この季節が来たなーと感じています。


そんな中、身体づくりの視点でついついピッチング動作やバッティング動作を見てしまいます。ピッチングやバッティング動作は個々で全く違いますが、その中でも「このピッチャー全く力みがないな」とか「このバッター軸が安定しているな」とかがわかります。


そこで、今回はピッチング動作に着目し、子どもによく生じる野球肘の原因について解説し、最後には改善するためのトレーニングも紹介します。実は野球肘の原因は肩や肘の問題だけではないことがほとんどです。


この記事を読むと、野球肘の子どもに対してどこを改善する必要があるのかがわかり、さらに改善に必要なトレーニングも理解できます。


子どもが野球を行なっている親御さん、チームの監督やトレーナさん必見の内容です。ぜひ最後まで読んでください。


目次  


1. 野球肘とは? 

2. 野球肘の原因

3. 野球肘を改善するためのトレーニング

4. まとめ 


野球肘とは?

野球肘(やきゅうひじ)は、野球を頻繁に行う特にピッチャーに多く見られる肘の障害です。投球動作の繰り返しによって肘関節の内側・外側・後方に過度な負荷がかかることで発生します。

主な症状は、投球時に肘の痛みや腫れ、肘関節の可動域制限、握力の低下などがあります。これが進行すると、靭帯や腱、骨の障害が発生し、手術が必要になることもあります。特に成長期の子どもにおいては、骨端線(成長線)に影響を与え、成長障害を引き起こすリスクがあるため、早期の発見と適切な対応が重要です。


野球肘の原因

野球肘になる原因としては、筋力や柔軟性低下などの機能的要因、練習時間や使いすぎなどの環境的要因などがありますが、最も重要な要因としては投球動作不良が挙げられます。


この投球動作不良の中でも特に多い原因は、投球時に肘が肩よりも下がったまま投げる「肘下がり」です。


この肘下がりの原因を肘や肩の影響と考えていませんか?


投球動作には運動連鎖というものがあり、下肢から体幹、上肢へと運動が連鎖します。この運動連鎖がスムーズに連鎖するかどうかが非常に重要になります。




下肢と体幹がスムーズに連鎖するために重要なのは「股関節」であり、体幹と上肢がスムーズに連鎖するために重要なのは「肩関節」になります。この中でも特に下肢と体幹が連鎖することが最重要であり、そのために股関節が使えることが必要です。



つまり、股関節を使った投球動作が肘下がりを予防し、野球肘になりにくい投球動作になります




野球肘を改善するためのトレーニング

ここでは、股関節が使えるようになるトレーニングをお伝えします。

ここで紹介する体軸体操・10秒アクションは、「予防医学に基づいて理学療法士が開発した健康的な身体づくりのための体操プログラム」になります。子どもの身体の状態を整え、疲れにくく元気になる体操です。それを行うことで誰でも同じように効果が出るようになります。


「体軸」とは、筋肉や骨格のことではなく、身体の中心を上下に貫く軸の感覚のことです。お子さんはこの「体軸」が整うことで、姿勢の改善が期待できます。また、身体を思い通りに動かしやすくなることで運動能力の向上につながります。



他の体操とは違い、全身14カ所にある身体のスイッチを触りながら動かすことで、身体の感覚が整い、インナーマッスルが活性化し、身体に軸ができます。そして、身体に軸ができることで身体の余計な力みがなくなり、運動連鎖がスムーズにできるようになります。この体操プログラムはTAIJIKU(たいじく)子どもの運動学習塾の教育プログラム内などで幅広く活用されています。


体軸体操・10秒アクションは全部で100種類以上ありますが、それぞれ10秒程度で、どんな子どもでも簡単にできる体操になっています。


今回はその中から、投球時の股関節が使えるようになるトレーニングを5つ紹介します。


まずトレーニングを行う前に、一度シャドーピッチングを行い、肩や肘の感覚を感じておいてください。

その後、次の5つのトレーニングを行いましょう!










トレーニング後に、再度シャドーピッチングを行なってみてください。ピッチング時に、肩が軽く感じたり、上がりやすかったりしませんか?


肩・肘に対してトレーニングしていないのに、運動連鎖が改善することで肩・肘周囲の余計な力みが改善すると軽く感じ、肘が上がりやすくなります。


今回は野球肘を改善するためのトレーニングを紹介しましたが、もっと詳しく子どもの運動能力を高める方法を知りたい方はキッズ・ジュニアトレーナーの専門家が実施する「体軸ファシリテーター養成講座」の受講をおすすめします。


「体軸ファシリテーター養成講座」はこちら


オンラインでも受講でき、1日で体軸体操指導者の資格がとれ、さらに文部科学省が認定する運動教室を開催することが可能になります。

子どもの運動神経・姿勢は誰でも向上することができます。ぜひご検討ください。



まとめ  

今回は野球肘についての解説と改善するためのトレーニングを紹介しました。


野球肘は投球動作の繰り返しによって肘関節の内側・外側・後方に過度な負荷がかかることで発生する


野球肘になる原因として最も多いのは投球動作不良(肘下がり)である。


肘下がりの原因は運動連鎖がスムーズに連鎖していないことが要因


・肘下がりを改善するために体軸体操・10秒アクションが効果的である。


以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。


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