「疲れやすい」「やる気が出ない」子どもの不調と姿勢の深い関係


「最近、子どもがなんだか疲れやすい」「集中力が続かない」「よくお腹を痛がる」「やる気が出ない」など気になることはありませんか?
日常のちょっとした不調、実は子どもの「姿勢」が関係しているかもしれません。
私たちはつい、「姿勢=見た目の問題」と思いがちですが、実は姿勢は、子どもたちの呼吸、消化、筋肉の発達、そして心の状態にまで深く関係しています。成長期に身につけた姿勢のクセは、大人になってからの健康や体調にも影響を及ぼすことがあるのです。
今回は、姿勢の悪さが子どもの体にどんな影響をもたらすのか、そしてよく見られる姿勢のパターンと改善方法についてわかりやすくお伝えします。
見た目以上に大切な「子どもの姿勢」、少しだけ立ち止まって一緒に考えてみませんか?
目次
子どもの姿勢が悪いとどうなるの?
姿勢が悪いことで起こりやすい主な問題は次の5つです。
1. 呼吸が浅くなり、集中力が低下しやすくなる
猫背になると胸が圧迫され、肺が十分に広がらず、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと脳に送られる酸素の量が減り、集中力や思考力が低下しやすくなります。授業中にボーッとしたり、勉強が続かない原因が、姿勢にあることも少なくありません。
2. 内臓の働きが弱まり、消化不良や便秘に
姿勢が悪いと、お腹まわりが圧迫され、内臓の位置がズレやすくなります。また、自律神経のバランスも崩れるため、その結果、胃腸の動きが悪くなり、食欲不振や便秘、腹痛などの不調を引き起こします。「最近なんだか食が細い」「お腹の調子が悪い」といった悩みが、姿勢の悪さから来ているケースもあるかもしれません。
3. 筋力のバランスが崩れ、疲れやすくなる
正しい姿勢を保つには、体幹・背筋・腹筋・骨盤まわりの筋肉がバランスよく使われる必要があります。姿勢が崩れると、ある部分の筋肉にだけ負担がかかり、他の筋肉が使われなくなってしまいます。これが原因で筋力のバランスが崩れ、体が疲れやすくなったり、長時間座っていられないといった問題が起きることもあります。
4. 骨格の歪みや成長への影響
子どもはまだ骨格が柔らかく、成長の途中です。姿勢が悪いまま生活を続けると、骨や関節に偏った負担がかかり、将来的に側弯(そくわん)やO脚・X脚、反り腰などの問題につながることもあります。
成長期の姿勢は、大人になったときの体の形やバランスに直結するため、早めの意識が大切です。
5. 自信や気持ちの面にも影響が出る
姿勢と心の状態には意外なほど深いつながりがあります。背中が丸まって下を向いている姿勢は、自信がない・元気がない印象を与えるだけでなく、実際に本人の気持ちにも影響を与えることがあるのです。
一方、背筋がすっと伸びた姿勢は、堂々とした印象を与えるだけでなく、自己肯定感ややる気にもプラスの影響を与えるといわれています。
子どもの姿勢の乱れは、単なる見た目の問題ではありません。毎日の呼吸、食事、運動、学習、そして心の安定にまで深く関わっている「健康の土台」といえるのです。
だからこそ、小さなサインを見逃さず、成長期の今こそ、正しい姿勢を意識することがとても大切です。
よくある子どもの姿勢4パターン
良い姿勢とはどのような姿勢でしょうか?
「良い姿勢」とは、目的とする姿勢や動作を必要最小限の筋出力で行えている姿勢です。
「良くない姿勢」とは必要以上に筋出力があったり、必要以上に力が抜けている姿勢を いいます。
一般的に言われている猫背や仙骨坐りは必要以上に力が抜けている姿勢になります。こ こで注意してほしいことがあります。猫背や仙骨坐りでない姿勢をとっていても、必要以 上の筋出力であれば良くない姿勢となります。
良くない姿勢は身体に強く負荷をかけることになり、ケガを生じやすい身体になり ます。
良い姿勢は身体に負担が少なくなるので、より多くの練習ができるようになり、負 担をかけても大丈夫な身体になります。
子どもの特徴的な姿勢には次の4パターンがあります。
・理想S字タイプ:
重力の影響が最も少なく、身体の各関節や筋肉への負担が最小限な姿勢。体幹が安定し、あらゆる動作の基準となる理想的な姿勢であり、スポーツにも適している。
・猫背タイプ:
頭が前に突出し、背骨が丸まっており、対称的に腰は反り腰になる姿勢。体幹のインナーマッスルの活動が乏しく、スポーツ音痴の原因になったり、運動で疲れやすい。また、s腰を剃っているため腰痛を起こしやすい。
・まっすぐ背骨タイプ:
一見まっすぐで良い姿勢に見えるが、背骨のS字カーブが少なくメリハリのない姿勢。背骨のカーブがないため、首や腰への負担が多く、腰痛や首の痛みを起こしやすい。
・お腹でっぱりタイプ:
背中が丸まり、お腹は前に出っ張り、腰がロックされた姿勢。骨盤が前方へ滑っているため、もも裏の筋肉がうまく働いておらず、ジャンプ、走るなどの瞬発性の必要な運動ではパフォーマンスが出ない。
ぜひ、お子さんがどの姿勢に分類されるかチェックしてみましょう!もし理想S字タイプでなければ、次の体操で姿勢を改善してみましょう!
子どもの姿勢を改善する効果的な体操
姿勢は、どのように作られていくのでしょうか?
赤ちゃんが発達していく中で、首が据わり、次に寝返りを獲得。腰が据わって、座位、四つ這い、立ち上がり、歩行へ と発達していきます。この時重要になるのが「身体の感覚(体性感覚)」になります。さまざまな身体の感覚を養うことで、姿勢や運動は育まれていきます。
ここで紹介する体軸体操は、その体性感覚を整えることに重点をおいた「予防医学に基づいて理学療法士が開発した健康的な身体づくりのための体操プログラム」になります。
子どもの身体のインナーマッスルを活性化することで、姿勢や身体の使い方が向上する体操です。
他の体操とは違い、全身14カ所にある身体のスイッチを触りながら動かすことで、身体の感覚が整い、インナーマッスルが活性化し、身体に軸ができます。

「体軸」とは、筋肉や骨ではなく、身体の真ん中を通る身体の感覚になります。
体軸とは、運動(スポーツ)・勉強・習い事の土台になるものです。これからスポーツを頑張りたい、勉強がもっとできるようになりたい!という小学生の子どもたちにこそまず身についてほしいのがこの「体軸」です。
この体操プログラムはTAIJIKU(たいじく)子どもの運動学習塾の教育プログラム内などで幅広く活用されています。
今回は、体軸体操の中から子どもの姿勢を改善できるトレーニングを5つ紹介します。
子どもだけでなく、親御さんも一緒に行うことで楽しく続けやすいのでぜひやってみてくださいね。
まずは、子どもの姿勢がどの分類になるかチェックしてみましょう!
理想S字タイプでなければ、次の体操をやってみよう!


トレーニングが終わったら、再度姿勢をチェックしてみましょう!何か変化はありましたか?見た目が変化していなくても、たった感じに変化があれば大丈夫です。
無駄な力が抜けたり、必要な力が入ったりすることで立っている姿勢が立ちやすくなっていませんか?
このように即時的な変化もありますが、続けることでどんどん良い姿勢になっていきます。
今回お伝えした体軸体操は全てで17種類あり、その中の一部のみ紹介しました。これからの時代、小学生の子どもたちが、健康にすくすく成長できるために土台となる身体づくりが必須です!
今回の記事を読んで、子どもの姿勢改善に興味を持たれた方は、子どもの身体づくりの専門家が実施する「体軸姿勢調整師 養成講座」の受講をおすすめします。
2025年より新規で開講した講座であり、オフラインでも受講でき、2日で体軸専門資格を取得することができます。子育てに役立つことができますし、地域で姿勢改善教室などを開催することもできるようになります。
まとめ
◉子どもの姿勢が悪いとどうなるの?
・呼吸が浅くなり、集中力が低下しやすくなる
・内臓の働きが弱まり、消化不良や便秘になりやすい
・筋力のバランスが崩れ、疲れやすくなる
・骨格の歪みや成長への影響
・自信や気持ちの面にも影響が出る
◉よくある子どもの姿勢4パターン
・子どもの姿勢には「理想S字タイプ」「猫背タイプ」「まっすぐ背骨タイプ」「お腹でっぱりタイプ」の4パターンがある
・理想S字タイプは重力の影響が最も少なく、身体の各関節や筋肉への負担が最小限な姿勢。体幹が安定し、あらゆる動作の基準となる理想的な姿勢であり、スポーツにも適している。
◉子どもの姿勢を改善する効果的な体操
・体性感覚の改善に重点をおいた体軸体操・10秒アクションが姿勢改善に効果的
・体軸体操、10秒アクション
ー頭アクション
ーレッグアクション
ーマウンテンロケット
ーすもうアクション
ー軸アクション
以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。