「また捻挫!?」子どもが繰り返す足首捻挫の原因と予防法を理学療法士が解説

「え、また足をひねったの?」
最近、そんなふうに子どもの足のケガに驚いたり、不安を感じたりしていませんか?
特にスポーツや外遊びが大好きな子に多いのが、「足関節捻挫(あしかんせつねんざ)」、つまり足首の捻挫です。最初はちょっと痛そうなくらいで済んでも、実はこのケガ、クセになりやすく、何度も繰り返すうちに悪化してしまうこともあるんです。
「たかが捻挫」と軽く見ていると、将来のパフォーマンス低下や慢性的な足の不調に繋がる可能もあります。だからこそ今、正しい知識と予防法を知っておくことがとても大切です。
この記事では、理学療法士の視点から、子どもが足首の捻挫を繰り返す理由と、今日からできる予防法をわかりやすく解説していきます。子どもの“足”の未来を守るために、ぜひ最後までお読みください。
目次
子どもに多い足のケガ「足関節捻挫」とは?
足関節捻挫とは、運動時やスポーツ時のジャンプの着地や段差での踏み外し、急な方向転換などで足首を内側や外側に捻挫して痛みが生じる怪我です。皆さんも一度は子どもの頃などに経験したことがあるのではないでしょうか?
足関節捻挫は子どもに生じる怪我の中でも最も多いスポーツ外傷の一つであり、特に多いのは足首を内側に捻ってしまう(内反捻挫)ことで、外側にある前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)を損傷する捻挫です。
痛めた程度によって、レベル1〜レベル3まで分類されます。それぞれレベルによって症状の特徴や回復期間が異なります。
症状が軽いからといって、放置すると再発しやすくなるため、早めの処置とトレーニングが必要です。
子どもが足関節捻挫を繰り返す原因
子どもが捻挫をした後、治ったと思って運動やスポーツに復帰したのに、すぐにまた捻挫をしてしまったことはありませんか?実は、子どもの足関節捻挫は再発しやすいんです!
これは何故なんでしょうか?
子どもの足関節捻挫は、捻挫をしてから運動やスポーツに復帰するまで軽度なものであれば平均約1週間程度と比較的早く復帰できますが、痛みがなくなっただけで足首の可動域や筋力低下、バランス能力の低下などが残った状態で復帰してしまっていることが多いため、実は再発率が非常に高いのです。
そこで、子どもが捻挫した後、より安全に運動やスポーツに復帰できるかどうか判断するために次の5つの項目をチェックすることが推奨されています。
①痛みの程度:運動やスポーツで痛みがあるか
②足首の機能障害:足首の可動性、足首の筋力の左右差があるか
③子どもの心理的感覚:足首の安心感や自信、足首の不安定感があるか
④バランス能力:バランス能力の低下があるか
⑤パフォーマンス能力:ジャンプ、ダッシュ、切り返し動作などができるか
これら5つの項目をチェックすることで、再発を予防しながら安全に運動やスポーツ復帰できると言われています。
今回は、この5つの項目の中から自宅でも簡単に実施できる④バランス能力の簡単なチェック方法と、バランス能力を向上するためのトレーニングを次に紹介します。
しかし、なかなか判断が難しい項目もあると思いますので、医師や理学療法士の先生に判断してもらうのが安全なため、怪我をした時はできる限り病院で診てもらいましょう。
子どもに多い足のケガ「足関節捻挫」の予防法
ここで紹介する体操は、「予防医学に基づいて理学療法士が開発した健康的な身体づくりのための体操プログラム」になります。
子どもの身体のインナーマッスルを活性化することで、姿勢や身体の使い方が向上する体操です。
他の体操とは違い、全身14カ所にある身体のスイッチを触りながら動かすことで、身体の感覚が整い、インナーマッスルが活性化し、身体に軸ができます。

「体軸」とは、筋肉や骨ではなく、身体の真ん中を通る身体の感覚になります。
体軸とは、運動(スポーツ)・勉強・習い事の土台になるものです。これからスポーツを頑張りたい、勉強がもっとできるようになりたい!という小学生の子どもたちにこそまず身についてほしいのがこの「体軸」です。
この体操プログラムはTAIJIKU(たいじく)子どもの運動学習塾の教育プログラム内などで幅広く活用されています。
今回は、100種類以上ある体軸体操・10秒アクションの中から子どもの足関節捻挫を予防できるトレーニングを紹介します。
子どもだけでなく、親御さんも一緒に行うことで楽しく続けやすいのでぜひやってみてくださいね。
まずは、子どもが足関節捻挫をしやすい身体かどうか、次の方法でバランス能力をチェックしてみましょう。
目を開けた状態で60秒、目を閉じた状態で30秒キープできれば合格です!
バランスをチェックしたら、次の体軸体操でウォーミングアップをします。



トレーニングが終わったら、再度片足バランスをチェックしてみよう!トレーニング前と比べてバランスがとりやすくなっていませんか?
このように即時的な変化もありますが、続けることでどんどんバランス能力が向上し、足関節捻挫を予防することができます。怪我をせずにスポーツを続けるために頑張って続けてみましょう!
今回お伝えした体軸体操・10秒アクションは全てで100種類以上あり、その中の一部のみ紹介しました。これからの時代、小学生の子どもたちが、健康にすくすく成長できるために土台となる身体づくりが必須です!
今回の記事を読んで、子どもの身体づくりに興味を持たれた方は、子どもの身体づくりの専門家が実施する「体軸ファシリテーター養成講座」の受講をおすすめします。
オフラインでも受講でき、1日で体軸体操指導者の資格を取得することができます。子育てに役立つことができますし、地域で運動教室などを開催することもできるようになります。
まとめ
◉子どもに多い足のケガ「足関節捻挫」とは?
・足関節捻挫は子どもに生じる怪我の中でも最も多いスポーツ外傷の一つ
・特に多いのは足首を内側に捻ってしまう(内反捻挫)
・痛めた程度によって、レベル1(軽症)〜レベル3(重症)まで分類され、それぞれレベルによって症状の特徴や回復期間が異なる。
◉子どもが足関節捻挫を繰り返す原因
・捻挫後、運動やスポーツに復帰するまで約1週間程度と比較的早い
・痛みがなくなっただけで足首の可動域や筋力低下、バランス能力の低下などが残った状態で復帰していることが多く、再発率が非常に高い
・痛みの程度、足首の機能障害、子どもの心理的感覚、バランス能力、パフォーマンス能力の5つを復帰の判断にすることが推奨されている
◉子どもに多い足のケガ「足関節捻挫」の予防法
・片足バランステストでバランス能力をチェック
・体軸体操、10秒アクションでバランス能力を向上する
ーあしうらアクション
ーあしくびアクション
ーレッグアクション
ーツイストアクション
ードラゴンフライアクション
ーサイドステップアクション
以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。