「怪我が多い子ども」に共通する5つの特徴

「また転んだの?」「どうしてこんなに怪我が多いの?」
子どもの膝にできたかさぶたを見るたび、そんなふうに感じたことはありませんか?
まわりの子どもが元気に走りまわっている中で、うちの子どもだけ怪我を繰り返してしまう。
「落ち着きがないから?」「注意力が足らないから?」とつい性格や行動のせいにしてしまっていませんか?
実は、怪我が多い子どもには、ある“共通点”があるのです。それは、「身体の使い方のくせ」なんです。
今回は、怪我が多い子どもに共通する5つの特徴と、その背景にある身体の使い方の仕組み、そして親子で楽しくできる怪我予防のトレーニングをご紹介します。
目次
怪我が多い子どもに共通する5つの特徴
怪我が多い子どもには、次の5つの共通点があります。
1. バランスを取るのが苦手
たとえば、平らな道でも何もないところでつまずく。段差がうまく上れない。これには「まだ運動が未熟だから」以上の理由があります。バランス感覚や重心移動のコントロールがうまくできていないと、ちょっとした揺れや傾きに対応できずに転倒しやすくなるのです。
2. 動きに“ぎこちなさ”がある
ボールを投げたり、ジャンプしたり、走り出したり…動作の切り替えがスムーズにいかず、「どこか危なっかしい」と感じることはありませんか?
これはさまざまな身体の部位を協調して動かす力(協調運動能力)がまだ育ちきっていないサインです。動きの流れがうまくつながらず、思わぬ転倒につながります。
3. 姿勢が崩れやすい
立っていても、座っていても、身体が安定せず、すぐに寄りかかったり、姿勢がくずれてしまう子どもは、体幹や筋肉の安定性がまだ弱い可能性があります。体をしっかり支えられない状態では、転倒や転落のリスクも高くなってしまいます。
4. 周りがよく見えていない
お友達とぶつかったり、壁にぶつかったり、狭いところで方向転換するときに「ドン!」。これには空間認識力や距離感のつかみ方が関係しています。空間の中で「どこに自分がいて、何がどこにあるのか」を把握する力が育ちきっていないと、怪我につながりやすくなります。
5. 注意の切り替えが苦手
夢中になりすぎて周りが見えなくなる。逆に、いろんなことが気になって集中できず注意が散漫になる。注意力の“偏りがあると、危険を察知するタイミングが遅れてしまい、怪我のリスクが上がります。
このように怪我の多い子どもには共通する特徴があります。5つの特徴はそれぞれ別々に感じるかもしれませんが、実はあることを改善することができればすべて解決できるのです!
それは、「身体の使い方」です。
そこで、怪我が多い子どもと少ない子どもの身体の使い方について次に説明しますね。
怪我が多い子どもと少ない子どもの身体の使い方
身体を動かすとき、そこには必ず「支点」が存在します。
物理の法則で支点・力点・ 作用点と習ったのを覚えていますか?
例えば、「肘関節を曲げる」という動作では、肘関節を「支点」として上腕二頭筋という筋肉が働く点(力点)を引っ張り、手が動いていきます(作用点)。

つまり、支点がなければ動きは起きないのです。
身体の使い方において「固定支点」と「揺動支点」という考え方があります。
「固定支点」とは、支点が常に1箇所に固定された状態を指します。
例えば、ロボットのように手足がバラバラに動く子どもは、支点はそれぞれ一つずつしかないため、動きがぎこちなくなります。また、同じ支点で繰り返し動くため、その支点となる場所にストレスが集中するため、故障しやすくなります。
反対に「揺動支点」とは、支点が動きによって常に変化している状態を指します。
例えば、ダンスや鬼ごっこで流れるように動く子どもは、共通して身体を動かす時に常に揺動支点になっています。
身体に支点が多数ある人は動きの中で動きに応じて支点を次々に変えていけます。支点が多ければ多いほど身体への重力による負荷が分散さ れ、動きの制限から解放されます。
身体の使い方が上手な子どもというのは、言い換えれば身体に支点を多く持ち合わせている子どもなのです。
この身体の使い方になると、バランス感覚や動きのぎこちなさ、姿勢が改善することはもちろん、それにより周りを見る余裕ができたり、注意力が向上したりします。つまり、先ほどの怪我が多い子どもの5つの特徴をすべて解決できる可能性があるのです。
では、この身体の使い方になるためにどうすれば良いでしょうか?その方法を次にお伝えしますね。
怪我が多い子どもが、正しい身体の使い方になるための効果的なトレーニング方法を紹介します。
ここで紹介する体軸体操・10秒アクションは、「予防医学に基づいて理学療法士が開発した健康的な身体づくりのための体操プログラム」になります。
子どもの身体のインナーマッスルを活性化することで、姿勢や身体の使い方が向上する体操です。
他の体操とは違い、全身14カ所にある身体のスイッチを触りながら動かすことで、身体の感覚が整い、インナーマッスルが活性化し、身体に軸「体軸」ができます。

「体軸」とは、筋肉や骨ではなく、身体の真ん中を通る身体の感覚になります。
体軸は、運動(スポーツ)・勉強・習い事の土台になるものです。これから怪我することなくスポーツを頑張りたい、勉強がもっとできるようになりたい!という小学生の子どもたちにこそまず身についてほしいのがこの「体軸」です。
この体操プログラムはTAIJIKU(たいじく)子どもの運動学習塾の教育プログラム内などで幅広く活用されています。
今回は、このトレーニングの中から子どもの怪我を予防することができるトレーニングを5つ紹介します。
子どもだけでなく、親御さんも一緒に行うことで楽しく続けやすいのでぜひやってみてくださいね。
まず、身体の使い方を次の方法でチェックしてみましょう!
立ち上がることができれば揺動支点、立ち上がることができなければ固定支点になってしまっています。
立ち上がれなかった、もしくは立ち上がりがぎこちなかった子は、次の体操をやってみましょう!
すべての体操ができたら、先ほどのチェック方法でもう一度身体の使い方をチェックしてみよう!
どうかな?立ち上がれるようになっていませんか?
このように、身体の使い方はすぐにでも変えることができます。子どもたちが楽しみながら怪我を予防できる身体の使い方になるように、親子で一緒にやってみてくださいね。
今回お伝えした体軸体操・10秒アクションは全てで100種類以上あり、その中の一部のみ紹介しました。これからの時代、小学生の子どもたちが、健康にすくすく成長できるために土台となる身体づくりが必須です!
今回の記事を読んで、子どもの身体づくりに興味を持たれた方は、子どもの身体づくりの専門家が実施する「体軸ファシリテーター養成講座」の受講をおすすめします。
オフラインでも受講でき、1日で体軸体操指導者の資格を取得することができます。子育てに役立つことができますし、地域で運動教室などを開催することもできるようになります。
まとめ
◉怪我が多い子どもに共通する5つの特徴
1. バランスを取るのが苦手
2. 動きに”ぎこちなさ”がある
3. 姿勢が崩れやすい
4. 周りがよく見えていない
5. 注意の切り替えが苦手
◉怪我が多い子どもと少ない子どもの身体の使い方
・「固定支点」:支点が常に1箇所に固定された状態
・「揺動支点」:支点が動きの中で常に変化する状態
・怪我が多い子どもは、「固定支点」になっている
・「揺動支点」に変えることで、怪我を予防できる
◉怪我が多い子どもに効果的なトレーニング方法
・体軸体操、10秒アクションが効果的
ーみぞおちアクション
ーヒップウォーク
ーリザードアクション
ーマウンテンロケット
ー軸アクション
以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。